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☆1組目 今期ランキング5位、セミファイナルAブロック1位!

デュアル

コント・新人フレッシュぴちぴちお兄さん

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渡辺:デュアルと言えば漫才ですよね。

佐藤:そうですね。漫才ですよ。ええ。

渡辺:デュアル最後の長文企画ですけども。

佐藤:普通ここは漫才でしょうね。ええ。

渡辺:デュアルと言えば僕がボケで。

佐藤:僕がツッコミですよね。


渡辺:固定観念を持った貴様らざまーみろ!

佐藤:渾身のネタです。どうぞ。



司会:ここまで全て、漫才でTOP通過を果たした! 集大成の最後をコントで締めくくる! デュアル!

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渡辺「……いやぁ…君には無理だよ…」

佐藤「お願いします!やらせて下さい!」

渡辺「いや…まぁ確かに困ってるけどさ…」

佐藤「お願いします!この、佐藤ヒレ道にどうかチャンスを下さい!
   体操のお兄さんをやらせて下さい!」

渡辺「いや確かに君、名前も似てるし、
   今お兄さんが急病で出れないから確かに困ってるけど…
   君、なに人?」

佐藤「半魚人です」

渡辺「ダメに決まってるだろ!!」

佐藤「何でですか!半魚人の何がダメなんですか!(ぱくぱく)」

渡辺「水分足りなくなってきてるじゃねぇか!
   君が常に十分な水分を得られる状況はスタジオで作れないんだよ!」

佐藤「つべこべ言わずに水槽持ってくれば万事解決じゃないですか!
   なぜそれがわからないんだ!」

渡辺「当然のように言うな!
   こっちは半魚人が体操のお兄さんやりたいって言ってきた時の
   対処法なんか知らねぇんだよ!
   子供たちとお兄さんの距離が命の番組なのに自ら隔たりを作るなよ」

佐藤「しょうがねぇなぁ…じゃあ百歩譲ってプールで撮影しましょう」

渡辺「何で上からの発言なんだよ!
   半魚人であるお前の話を真面目に聞いてる時点で
   俺何百歩も譲ってるんだからな?!」

佐藤「なっ…それは人種差別だ!撤回を要求する!(バンッ!)(ビチャビチャッ)」

渡辺「机を叩いてまで力説するなよ!
   君が激しい動きをするとしぶきがあたるんだよ!やめなさい!」

佐藤「半魚人だって生きている!平等を!平等を!(ぴちぴちぴちぴち)」

渡辺「怒りのあまり震えるのはやめなさい!
   しぶきがあたるんだってば!市場みたいな匂いがするわ!」

佐藤「1回だけ見てくれれば良いんですよ!
   僕だってただでやろうとは思ってませんよ…(サッ)」

渡辺「いや、そんなもん出されてもね、うちはNHKだよ?」

佐藤「いや、これは気に入るはずです!最高級ですよ!?」

渡辺「だってさぁ…何それ?」

佐藤「プランクトンです」

渡辺「いらんわ!人類はそんなもんにそそられねぇんだよ」

佐藤「最近は地中海産のが絶品でですね…日本産のは押されだしてます」

渡辺「知らねぇんだよプランクトン市場の話は。今後に一切生きない」

佐藤「今後人類はエラ呼吸が主流になるかもしれないじゃないですか!」

渡辺「そんなことあるか!
   そもそもね、体操のお兄さんは子供に好かれなきゃいけないんだよ。
   君見たら子供泣くぞ」

佐藤「そんなこと言われたら僕も泣いちゃいますよ」

渡辺「君が涙を流しても海ガメの産卵シーンしか思い浮かばん。
   とにかくお引き取り下さい」

佐藤「こうなったら…仕方がない…あなた…魚拓は好きですか?」

渡辺「墨汁持ってまっすぐな目をするな!
   誰が飾りたいんだそんな魚拓…いや人拓…?
   いやもうどっちでもいいわ!」

佐藤「今日1日だけで良いんです!お願いします!
   真面目に働いてる僕の姿を…おふくろに見せたいんです!」

渡辺「………」

佐藤「もとから病弱なフナだったおふくろは…」

渡辺「え、君両親半魚人じゃないの?!」

佐藤「おふくろがフナで親父が人間です」

渡辺「君のお父さん、肺呼吸とエラ呼吸という
   常人として決して超えてはいけない壁を超えてしまったんだね」

佐藤「ハーフなんです。ハーフ魚人」

渡辺「こんなに魅力を感じないハーフの人は初めてだよ」

佐藤「とにかく…お願いします!
   半魚人だって立派に生きられることを世間に示したいんです!」

渡辺「………」

佐藤「お願いします!お願いします!(ビチャッ)」

渡辺「頭をあげなさい………君の熱意には負けたよ……
   まぁ…その生魚特有の生臭さにも。今日1日だけだからな」

佐藤「あ…ありがとうございます!やった!やったぜおふくろ!」

渡辺「じゃあ今日1日、頑張りなさいよ」

佐藤「やった!水を得た魚!水を得た魚!(ぴちぴちぴちぴち)」

渡辺「嬉しいのはわかるがはしゃぐのはやめなさい!
   生臭いしぶきが飛び散るんだって!」

 ・
 ・
 ・

渡辺「うん貴様、ちょっと来い」

佐藤「………」

渡辺「子供ぶん殴るとはどういうことだ!」

佐藤「あいつ俺のエラに空気吹き込もうとしたんですよ?!
   そんなことされそうなったら誰だろうとヒレが出るでしょうが」

渡辺「後ろに立ってただけだろ!そんな魚の弱点に精通してる子供いるか。
   幸いカメラに見えてないところだからよかったけどさ」

佐藤「あ、じゃぁ何の問題もなかったすね。あはは」

渡辺「こいつ3枚におろしてやろうか」

佐藤「ひぃっ!3枚はやめて!」

渡辺「それでなくても苦情が来てるんだよ。
   放送開始から電話なりっぱなしだぞ?」

佐藤「なんですって?!」

渡辺「お前の生臭さのせいで子供の7割終始苦い顔してたんだよ。
   誰が見たいんだそんな笑顔がない子供番組」

佐藤「それは子供に防臭マスクをつけましてですね…」

渡辺「異様だよ!顔すら見えねぇし。
   マジでこいつファブリーズ漬けにしてやろうか」

佐藤「しみます。止めてください。片ヒレを失っても抵抗しますよ」

渡辺「でさ、さっきも言おうと思ったけど、手のことをヒレと呼ぶなよ」

佐藤「僕のは手なんかついてないんです!ヒレなんですよ!」

渡辺「子供達のはヒレじゃないの!
   ヒレついてて喋るのはお前だけなの!
   子供たちの8割キョトンだったぞ?!」

佐藤「僕は経験が少ないから稚魚たちの目線にはなりきれなかったんですかね」

渡辺「稚魚とか言うな!子供と言え!イクラから孵化したばかりの鮭か!
   とにかく子供達との隔たりがすごすぎる!
   これじゃあ体操のお兄さんなんか無理だよ!」

佐藤「………(ぱくぱく)」

渡辺「都合悪くなったら魚寄りになるのやめろ!
   お前がいけないのはまだあるんだぞ?見てみろよスタジオの床」

佐藤「何ですか!」

渡辺「お前のウロコとかで魚さばいたあとのまな板みたいになってるぞ」

佐藤「そりゃあんな激しい動きしたらウロコだってとれますよ!
   (バンッ!)(ビチャビチャッ)(パリッ)」

渡辺「熱弁するな!机がまな板みたいになったじゃねぇかよ!」

佐藤「人類がウロコのとれやすさ方にここまで精通してないとは…やれやれ」

渡辺「はぁ?!てめぇいい加減にしろ!!
   3枚におろして醤油とみりんで味付けして煮付けにするぞ?!」

佐藤「ひぃっ!美味しそう!でもやめて!」

渡辺「君ね、ホントもう帰って。やる気ないんだったら」

佐藤「……(ぱくぱく)」

渡辺「警備員さんお願い」

佐藤「こらっ!何するんだ!やめろっ!海は生命の母!海は生命の母!
   (ぴちぴちぴちぴち)」

渡辺「警備員さん!生臭いけど頑張って!!
   出来ることならそのしぶき全部よけながら頑張って!」

佐藤「くそっ!僕が半魚人じゃなくて4分の1魚人ならよかったとでもいうのか!!」

渡辺「クォーターでも魚の血が入ってる時点でダメだっつーの!」

佐藤「今すぐ肺呼吸になりますから!お願い!摘み出さないで!」

渡辺「今急激な進化を遂げようとするな!」

佐藤「くそぉおーっ!」

(摘み出されるヒレ道)

渡辺「やっといなくなったか……さて、来週の分撮るぞー。
   スタジオが魚臭い?何とかするしかないだろ…
   歌のお兄さんが魚嫌いで具合悪くなって帰った?!」

(ダダダダダダダダダダダダッ!)
(ゴンゴンゴン!ゴンゴンゴン!)

渡辺「はい、どちらさんですか?今立て込んでるんで出来れば後に…」

(ガラガラガラ)
佐藤「はぁ・・・はぁっ・・・
   僕が歌のお兄さんっていうのはどうですかね?」

渡辺「帰れエラ呼吸!」

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☆2組目 今期ランキング6位、セミファイナルAブロック2位!

サイドハンド・ボーラーズ

漫才:秋田美人

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おか:「このコンビのネタ、すごい・・・」と言われながら優勝したいです!

あべ:優勝したいですね。

おか:でも実際に言われそうなのは、「このコンビのネタ、むごい・・・」

あべ:ダメじゃないか!



司会:高水準を維持してファイナルへ! 長文の塔に続き2冠を目指す、社会派漫才! サイドハンドボーラーズ!

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おか:はいどうも、よろしくお願いします。

あべ:よろしくお願いします。

おか:しかしもうこんな年になりましたし、そろそろ結婚を考えてみたいですね。
   で、俺の理想の女性といったらズバリこれ、秋田美人ですよ。

あべ:なるほど、確かに日本で一番美人さんが多い県は秋田県だとか言われてるのは聞いたことありますけどね。

おか:とにかく秋田美人は最高です。これが、ちょっと間違えて青森県人とかだったらもう大変、この世の終わりです。

あべ:そこまで言うか!? それは青森県の人に失礼だろ、そんなに秋田と青森とかで違うか?

おか:全然違いますよ、まず秋田美人は色白で肌がきれいだし、まさに水もしたたるいい女ですよ。
   これが青森県人なら、青森名物のリンゴを丸かじりした時に歯茎から血がしたたる自称いい女で・・・

あべ:そんな女の子なんてめったにいないから! つーか、青森県人にもちゃんと美人はいるだろ・・・

おか:いやいや、秋田美人には勝てませんって。
   たとえ青森県人がどんなに秋田美人に焼きもち焼いたとしても「ははーん、焼きリンゴだな?」の一言でかたづけられます。

あべ:そんなシャレとかいらないから!

おか:でもそれぐらい秋田美人は別格ですって、
   有名人でいえば、あの世界三大美女、小野小町は今の秋田県出身ですからね。
   それに対して青森県出身の有名人は、高見盛、舞の海、貴ノ浪、若の里、岩木山・・・

あべ:相撲取りばっかりじゃないか! 確かに青森県は相撲が盛んらしいけど!

おか:それに秋田美人はきっと家庭的ですよ、
   寒い冬場に家に帰って玄関を開けたら、奥さんが郷土料理の「きりたんぽ鍋」とかを作って待ってくれてるんですよ。
   対して青森県は、玄関開けたら相撲取りたちがリンゴを握りつぶしながら「はい、リンゴジュース!」

あべ:そんな玄関開けたら相撲取りとかありえないから! どこの相撲部屋だ!?

おか:・・・あぁ、やっぱり青森なんかじゃダメだ、秋田がいい。

あべ:お前は何か青森に恨みでもあるのか・・・?

おか:・・・あぁ、やっぱり青森のリンゴなんかはダメだ、つーか悪魔の果実だ。
   元はと言えば、アダムとイブが、このリンゴという禁断の果実を食べたばっかりにこの世は苦しみの世界に・・・

あべ:なんで突然そんな話になるんだ!? 関係ないだろ・・・

おか:アダムとイブが、禁断の果実をこの青森の地で食べたばっかりに・・・

あべ:違うから! なんで「アダムとイブ」の話が青森でリンゴを食べる話になるんだよ!?

おか:あと、同時に魔法使いのおばあちゃんも現れて、あの時毒リンゴを青森で食べさせられたばっかりに・・・

あべ:白雪姫とも関係ない!

おか:まぁ、話がそれましたすいません、とにかく秋田美人には他にはない魅力があるんですよ。
   だから結婚してからも、いつまでもきれいな女性のままでいてくれるでしょうね。
   これが青森県人とかなら、結婚後は毎日ダラダラと食っちゃ寝食っちゃ寝でブクブクと太っていき・・・

あべ:そしてまた青森県人の話にするのか、しつこいって・・・

おか:で、そんな姿を見た、近所の人からは陰でこう言われるんですよ。
   「あそこの家の奥さん、青森から嫁いできただけにこれが本当の「ねぶた」だね」と。

あべ:確かに青森にねぶた祭りってあるけど! そんなダジャレみたいなのいらないから・・・

おか:で、そんな陰口を聞いた青森県人の奥さんはきっとこういい返すんですよ、
   「私は、食べた後にすぐ寝るという、相撲部屋のルールをきっちりと守って生きているのよ!」と・・・

あべ:もういい、妄想もいいかげんにしろ!

おか:まぁそんなのとは対照的に、秋田に住めばもうみんなが円満な家庭生活を送れるでしょうね。
   そして、そんな2人の間に生まれる子供もきっとすくすくと育ちますよ。

あべ:それ本当なのか? 秋田県民だけがみんなそんな幸せになるとは限らないだろ。

おか:いや、なります。なぜなら秋田では幸せの守り神、なまはげが家庭を守ってくれますから。

あべ:またなんでなまはげが出てくるんだ・・・ しかも家庭を守ってくれるってそれ違うだろ・・・

おか:守ってくれますって。とにかく、秋田では家を買えば一家に一台なまはげが付いてきますし。

あべ:付いてくるか! いくら秋田でもそんな「車庫付きなまはげ付き物件」とかは売って無いから!

おか:でもとにかくなまはげは、家庭のためならなんでもやってくれるんですよ。あの鋭い歯と爪で、
   悪い子たちはやっつけてくれるし、ついでにあの歯でなかなか開かなくて困ってたビールの栓まで開けてくれます。

あべ:そんなのありえないだろ! つーかなまはげはどこぞのお助けマンとは違うから!

おか:ついでにあの爪で、奥さんのお肌の角質層もきれいに掃除してくれたりとかも・・・

あべ:それもありえない! 

おか:これが、お肌スベスベの秋田美人になる隠れた秘訣で・・・

あべ:どこがだ! むしろ顔が傷だらけになりそうだし・・・

おか:う〜ん、いいですね、なまはげのような女性。

あべ:・・・ってそれ顔的に最悪じゃないか! もはや、秋田美人っていうのが根底から覆ってるし!

おか:まぁとにかく秋田では、なまはげが毎日のように活躍してるんですよ。その活躍っぷりは地元秋田では、
  「秋田なまはげテレビ」と「ラジオなまはげNBC」によって毎週欠かさずテレビラジオで放送されているらしいですし・・・

あべ:もはや子供の作り話レベルじゃないか! つーかお前はなぜそこまでなまはげを持ち上げるんだ・・・?

おか:とにかく、なまはげは神様です。そんななまはげがいる秋田は最高です。
   これが青森県なら大変ですよ、青森で家を買えば一家に一台ねぶたが付いてくるんですよね?

あべ:あんなもの家の中に入りきるか! 家が壊れるだろ!
   つーかまた青森の話か、だからいい加減しつこいって言ってるだろ・・・

おか:これが青森県なら、なかなか栓が開かなくて困ってたリンゴ酒はいつの間にか相撲取りたちに飲まれて無くなってた・・・

あべ:だからいくら青森でも、家に相撲取りが侵入してくるとか無いから!

おか:これが青森県なら、奥さんのお肌の角質層めがけて相撲取りが塩をまいて「はい、塩エステ!」

あべ:そんなエステ存在するわけないから!

おか:これが青森県なら、テレビもねぇ、ラジオもねぇ、車もそれほど走ってねぇ・・・

あべ:確かにそれ青森が舞台の歌だけど! さすがに今の時代はそれら全部 あるだろ!

おか:まぁとにかくそういうことで・・・ いや〜、早く秋田に移住したいですね。

あべ:もういい! つーかさっきからグダグダと妄想ばかり言ってるけど、
   お前には、実際に結婚も考えているような秋田美人の彼女ってのはいるのか・・・?

おか:いません。なぜならついこの前、青森出身の元彼女に最後にひどいこと言われてフラれたばっかりですから。

あべ:お前の青森に対する言葉は結局逆恨みか! もういいかげんにしろ。

2人:どうも、ありがとうございました。

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☆3組目 今期の出場も貫禄のTOP合格、初代チャンピオン!

みやこ

コント「鑑定」

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宮尾:じゃあ行ってきます!

野崎:ふううううううう・・・よっし!行ってきま す!



司会:実は芸歴最年少。 しかしコントは今期も好調! 勢いにのる初代チャンオピオン! みやこ!

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野崎:・・・はあ。あなたもしつこいですね。まだわかんないですか?

宮尾:わかりたくないですよ。あなたこそ頑固すぎますよ。

野崎:さっきから言ってるように、こちらにある絵、掛け軸、ツボに皿は全部本物なんですよ!

宮尾:なに言ってるんですか!?こんなの本物なわけないでしょう!

野崎:いいですか。私はね、20年も古美術・骨董品などの歴史物を全般的に鑑定してきたんですよ!

宮尾:私だってね、骨董品鑑定士歴25年ですよ!

野崎:見て下さいよ、この虫眼鏡。年季が入ってるでしょう?この虫眼鏡で40年間いろいろな品を見てきたんです!

宮尾:・・・めっちゃ指紋ついてるんですけど。

野崎:そうなんですよ。おかげでぼやけるぼやける。

宮尾:買い換えろよ!もしくはタオルかあぶらとり紙で掃除してあげろ!

野崎:脂の効果であぶらとり紙のほうがとけるんですよ、ははは。

宮尾:どんだけ強烈な脂持ってるんだよ。

野崎:それにしても、依頼者さん。なんで二人も鑑定士を呼んだんですか。僕だけでも出来たんですよ?・・・・・・え、一人だけじゃ不安だったから?

宮尾:二人いたほうがはっきりするからでしょ。でもね、鑑定士はもう少し慎重に選ぶべきでしたよ、依頼者さん。ほんとに僕が来てよかった。

野崎:それどういう意味ですか!?まるで私に目がないみたいじゃないですか!

宮尾:「見る目」ね!目がなかったら速攻幽霊と判断するよ!

野崎:みてください、私はしっかりと度と脂の入っためがねをつけてますよ!

宮尾:だから掃除しろって!「脂の入った」って思いっきり染み込んでるだろ!

野崎:そしてみてください、このつぶらできりっとした瞳!この眼で見極めるんですよ。この眼は私の夢と希望、優しさと厳しさ、金と脂です!

宮尾:うそっぽい単語の中に金欲が混じってるな貴様。しかも眼球にも脂かよ!直接触ってるのか!

野崎:おかげでぼやけるぼやける。

宮尾:・・・依頼者さん。だめですよこの人。見極める視界を持っていませんもん。

野崎:大丈夫ですよ。今日はちゃんと目薬つけてきましたからね。さすがに半分は優しさだよね。

宮尾:それバファリンだろ!お前、眼に錠剤をぶち込んだのかよ!優しさのかけらもねえ使用法だな!

野崎:ちゃんと砕いたから大丈夫だよ。

宮尾:そういう問題じゃねえよ!結局固体が眼にくっついてる状態なんだろ!?どうりでまともな鑑定が出来ないはずだよ。

野崎:何を言ってるんだ。私の鑑定に間違いはないですよ。

宮尾:・・・じゃあもっと詳しく、ひとつずつ説明してくださいよ。

野崎:いいでしょう。まずこの皿なんですが、これはすばらしいですよ。すばらしい夏木マリです。

宮尾:・・・は?

野崎:大きさといい、デザインといい、保存状態といい・・・。これは数ある夏木マリの中でも最高級の夏木マリですね。

宮尾:・・・ねえ、もしかして古伊万里の事を言ってるんですか?

野崎:・・・・・・・・・・・・・・・この夏木マリは最古の夏木マリですね。

宮尾:無視するな!最古の夏木マリって、すごい感じ悪く聞こえるよ!

野崎:ちなみに僕は「男はつらいよ」の頃の夏木マリがいちばん好きですね。

宮尾:それは本物の夏木マリの話だろ!皿はどこいったんだよ!

野崎:まあ夏木マリもどんどん古伊万里化・・・

宮尾:こらー!!まだまだ現役だよあの人は!

野崎:じゃああなたはどう見るんですかこの皿を!

宮尾:どう見るもこうみるもね・・・(べりべりべり)

野崎:!?

宮尾:模様が思いっきりシールなんですよね。わかりやすいバッタ物ですよこれ。

野崎:に、日本最古のシール皿だったのか・・・。

宮尾:違う!思いっきり現代物!

野崎:・・・!?こ、この皿は!!

宮尾:・・・?シールはがしたあとのただの白い皿ですよ。

野崎:なに言ってるんですか!これは貴重な皿ですよ!

宮尾:ええ?ただの白い皿にしか見えませんけど。

野崎:いたんだ・・・ヤマザキ春のパン祭りに応募してる人・・・。

宮尾:あ、それで当たる皿!?確かに応募数少なそうな企画だけど!

野崎:依頼者さん、これとこの掛け軸を交換してください。

宮尾:どっちも依頼者のだよ!オン・ザ・依頼者!!

野崎:くっそお・・・来年の春は食パンを大人買いしてやる。

宮尾:そんなに欲しいのかよ!君、来年の春デブ決定だよ。

野崎:まあこれはヤマザキの本物として。次はこの掛け軸を見ましょう。

宮尾:ヤマザキを古伊万里見たいな扱いにするな。

野崎:この掛け軸は、間違いなく千利休のものですね。

宮尾:・・・・・・・・はあ。

野崎:な、何ですかそのため息!あなたは骨董品専門で、掛け軸のことなんでわからないでしょう!

宮尾:いや、これたとえ眼にコーラックぶちこんだ一般人でも偽者だとわかります。断言します。

野崎:その証拠は何ですか!言ってみなさい!

宮尾:これ、戦国時代の武士たちの戦いを表した絵の掛け軸ですよね?

野崎:見ればわかるでしょう。

宮尾:この左下に書いてある武士、思いっきり扇風機使って涼んでるんですけどね。

野崎:よっぽど暑かったんでしょうね。この絵からもわかるとおり、夏に戦ったというのがわかりますね。

宮尾:何当たり前のように説明してるんだよ!何で戦いの途中に最新機器で涼んでるんだよこの武士は!

野崎:クーラーもない時代だから仕方ないでしょ!

宮尾:扇風機もない時代なんだよ!時代も戦法も無視した掛け軸じゃねえかこれ!

野崎:ほら、ここ見て下さいよ。秀吉と信長が扇風機を取り合ってますよ。

宮尾:なんだそのスケールのでかい人たちのスケールの小さい内戦は!そんな戦いあらわさなくていいんだよ!

野崎:右上では家康がワンセグケータイを使ってますね。

宮尾:これ、完全に2006年度の作品だな!最先端中の最先端だよ!

野崎:どうですか。ほかに聞きたいことありますか!

宮尾:この掛け軸のことといい、お前の脳のことといい、たんまりあるよ。・・・この右上の字はなんて書いてるんですか?

野崎:「目の付け所が、シャープでしょ?」です。

宮尾:これ、宣伝のポスター扱いかよ!もはや歴史のひとかけらも感じられないよ!

野崎:これが本物ならシャープに多大な利益が!

宮尾:いろんな歴史の研究家から訴えられそうですけどね。あと、根本的なこといっていい?

野崎:な、なんですか。

宮尾:千利休は茶人ですけど。

野崎:・・・・・・・・・・夏木マリは芸能人ですけど。

宮尾:知ってるよ!つーか急に心変わりするな、散々皿扱いしといて!

野崎:ちゃ、茶人も茶巾もチャンラーンも一緒だい!

宮尾:お前、千利休にのろわれるぞ。食い物やギャグと一緒にされたんだからな。
   そして肝心の「掛け軸の作家」が選択肢にねえよ。

野崎:え、掛け軸って作家が必要なの?

宮尾:当たり前だろ!じゃなきゃ掛け軸なんて存在しねえよ!何を根拠に「千利休のもの」って言ったのかわかんなくなるしよ!

野崎:さあ。

宮尾:・・・俺の長いツッコミを打ち砕くが如くあっさり流してくれたな。

野崎:く、くそう・・・次はこの絵だ!この絵は間違いなく本物だ!

宮尾:・・・・・・これは有名な画家の作品なんですか?

野崎:もちろん!作者はフランスのパチーモン・ニセーヌ(1788〜2005)だ。

宮尾:名前からして明らかに胡散臭そうだし、生きてる期間なんて尋常じゃなさ過ぎるだろ!!200年以上経過してるぞ!

野崎:昔から緑効青汁飲んでるからな。

宮尾:ここまで生きたらもはやそういう問題じゃねえだろ!つーかフランソワな人が青汁飲んでるのかよ!

野崎:この絵を見て下さいよ。青汁が元気にウォーキングしたり、青汁が夢に向かって勉強したり、青汁家族が皆で元気に暮らしたり・・・。活き活きした絵ですよ。

宮尾:はたから見ると気持ち悪いんだけど。人間みたいなリアルな手足の生えてる青汁の入ったコップが躍動してるんですもん。

野崎:青汁を飲んだらこういう風にイキイキになりますよってことですよね。感涙だ。

宮尾:万が一こんなのになったら別の意味で涙が止まりませんけどね。

野崎:しかしこの絵には謎があるんです・・・。

宮尾:すでに謎かうそかわからないような要素でいっぱいですけど。

野崎:この左下の番号です・・・。これは謎です。まさにパチニセ・コードです。

宮尾:嘘にまみれてそうなコードだな・・・。どれどれ、0070−800−700−6・・・ってこれ緑効青汁作ってるアサヒ緑健の電話番号じゃねえか!

野崎:そうか、電話番号だったのか!!なるほど・・・さすが歴史のある絵・・・。

宮尾:歴史もくそもないっての!まがまがしいほどに商品宣伝だよ!アサヒ緑健の商売根性がにじんでるよ!

野崎:と、とにかく、これらはすべて価値のある絵です!依頼者さん信じてください!

宮尾:もう僕両方信じられませんけどね。あなたもこんなのつかまされる依頼者さんも。この鑑定の世界さえ疑ってしまうよ。

野崎:このー・・・。じゃあ最後のその大きなツボを見ましょうか!僕の力を見せてやる!

宮尾:あ、そのツボはね・・・・・・あれ?何笑ってるんですか依頼者さん。

野崎:ホントだ。なんで・・・。

(びりびりびりびり)

宮尾:わ!顔が破れて・・・変装!?

野崎:と・・・父さん!

宮尾:え!?父さん!?

野崎:どうしたのさー、父さん!母さんの変装してさー。

宮尾:いや、変装も親かよ!つーか、親に向かってあんないい加減な鑑定してたのかよお前はよ!

野崎:とんでもない!最初はちょっと気づかなくてさ。父さんの変装がちょっと失敗してて、顔の変装が半分破れる途中で気づいたんだよ。

宮尾:お前の母ちゃんどんな悲惨な顔してるんだよ。

野崎:父さん、なんでこんなことを・・・え、僕を試した?

宮尾:どういうことだ?

野崎:「お前が明らかなパチ物ながら、珍品になるべきものを完璧に説明して、人を納得させて巧みに売りつける『珍品セーラー』になるべき力を持ってるかどうか試した」だって?

宮尾:・・・それって、簡単に言えば偽者を売りつける詐欺師だろ!!

野崎:あ、ちなみに僕の父さんは20年の鑑定歴を経て、30年以上もこの「珍品セーラー」を続けてます。

宮尾:うわー。警察もっとしっかりしろよ。俺が警視総監なら全員クビだぞ。

野崎:珍品セーラーになるにはいろいろなものを見極める仕事、そう鑑定士になり、修行をする必要があるんです。

宮尾:うわうわうわー、屈辱的な鑑定士という立場の利用。中島誠之助に殴られればいいのに。

野崎:ところでさ、なんで宮尾さんも呼んだのさ?・・・・・・ふんふん・・・なるほど、さらに厳しい状況で試すために鑑定士としての確かな腕のある宮尾さんを・・・。

宮尾:え、つまり「珍品セーラー」になるための踏み台にされたの!?・・・・・・やばい、ツボと皿が一瞬凶器に見えた。

野崎:え・・・もう鑑定士をやめて、父さんの後を引き継げって!?ほんとにいいの!?

宮尾:よくない!

野崎:あんたには聞いてないよ!

宮尾:あんたとあんたの父親以外の人間の気持ちを代弁して言ったんだよ!!

野崎:なんだとこの!「珍品セーラームーン」をなめるなよ!

宮尾:ムーンは余計だよ!作者の竹内直子に謝罪しろ!・・・父親、あんたも掛け軸の絵に「AQUOS¥9,800」って書いてんじゃねえよ!どこの店のディスカウントだ!!

野崎:あ、僕も書かせて!ブラビアブラビア!

宮尾:ブラビアはSONYだよ!堂々と会社の壁をぶち壊すな!

野崎:・・・え?今からこの絵と掛け軸と皿をを売りにいくの!?12代目の腕を見せてやるって!?

宮尾:・・・・・・誰も初代で食い止めようと思わなかったのか?

野崎:・・・うんわかった!見て覚えるよ!早速行こう!というわけでこれらを売りに行ってきまーす!

宮尾:・・・このツボは?

野崎:父さん、あのツボは・・・あ、ぬか漬けを作るときに使ってたツボなんだ。ふんふん・・・運ぶのめんどくさいからあんたにあげるってさ。それじゃあねー!

宮尾:・・・・・・・・・・(黙って手を振る)

野崎:父さん、まずはこの掛け軸を東芝に売りに行くんだね!?会社の壁を打ち破る父さんのしゃべり、期待してるよ!
   ・・・え?「父さんが倒産させてやる!」だって?あははー、冗談上手いなあ〜!

宮尾:・・・・・・・。(ピッポッパ)・・・・・・あ、もしもし。警察ですか?かくかくじかじか・・・・はい、お願いします。(ピ)
   さて・・・この本物の古丹波のツボ、どうやってもって帰ろうかな・・・。

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☆4組目 満点545いっぱいいっぱいを含む、今期ランキング1位!

ワールドスコーピオン

漫才/勇者

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A:チャンピオンになるぞ。

B:はい。


司会:ここまでは文句無しの戦いで勝ち上がった! 畳掛けが魅力な勢いある漫才! ワールドスコーピオン!

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A:どうもワールドスコーピオンです。
B:よろしくお願いします。
A:やっぱり小さい頃の夢は今でも忘れられないね。
B:そうだね。ちなみに俺の小さい頃夢は、勇者になって魔王を倒して世界を救うことだったよ。
A:…お前まだそんな子供みたい事言ってるの?痛いな。
B:小さい頃の話だよ。今から、勇者になる気はねーよ。ちなみにお前の小さい頃の夢はなんだったの?
A:俺はね、勇者の師匠となって魔王を倒すための力となるのが夢だった。
B:奇遇じゃん。

A:おい、そろそろ魔王を倒しに行くぞ。
B:いよいよか。俺、絶対魔王を倒します。
A:今までよく俺の修行に耐えてきた。今なら魔王を倒せるはずだ。
B:はい。
A:ただ問題がいくつかある。
B:なんですか。
A:勇者のくせに武器なしではまずいと思う。さすがにチョップでは魔王に勝てない。
B:その通りです。俺、一応勇者です。なんでチョップの修行ばっかなんだと疑問に思ってました。
A:お前はチョップ専門の挌闘家ではなく、勇者だったな。昨日の笑点を見てたら急に思い出したよ。
B:すごいタイミングで思い出してくれましたね。俺、剣がほしいです。
A:武器だけでいいのか?防具もいるだろ。さすがに魔王相手に、裸はまずい。
B:それにもやっと気づいてくれましたか。もう俺このままだと見た目は、勇者ではなくただの変態です。防御力ゼロですよ。
A:よし、魔王を倒しに行く前に剣と鎧を探しにいくぞ。
B:あのーできれば、「伝説の剣」とか「伝説の鎧」と言われるような最強の武器、防具がほしいです。
A:あぁ、任せろ。よしじゃここの地面をさっそく掘るぞ。
B:怒られますよ。てか、こんな地面に剣や防具が埋まってるんですか?
A:ここにはどうせ何も埋まってない。掘るのは時間の無駄だ。
B:…じゃなんで掘ろうとしたんですか?
A:お前との最後の思い出作りだ。
B:し、師匠…。てか最後って俺が魔王に負けると思ってるよね。まっそんなことより武器と防具を。
A:…俺の昔知り合いで「マサル」という男がいた。
B:いきなりなんの話ですか。
A:マサルは「伝説の剣」、「伝説の鎧」というこの世界中で最強と言われる武器と防具を所持していた。まぁ今は死んじゃったけどな。
B:その武器は今どこにあるんですか?
A:畑にたぶん眠っている。
B:畑!?剣や鎧が畑にあるんですか?しかもなんか勝手に掘ったら怒られる気がします。
A:そんな心配はいらん。その剣と鎧は伝説の畑に眠っているから。
B:伝説の畑?なんだそれ。それにしても伝説と畑って言葉はまったく合わないな。
A:たぶん伝説のマサルは、伝説の畑に伝説の剣と鎧を隠したはずだ。さぁ今から行くぞ!
B:いつマサルさんは伝説なったんだ。

A:おい、ここが伝説の畑だ。さぁ好きなだけ掘れ。
B:分かりました。
A:さぁ自分の手で、自分の武器、鎧を手にいれるんだ。
B:おっ!なんかあるぞ。これはもしかして…
A:それイモじゃねーかよ。お前、イモ掘りしにきたんじゃねぇんだよ。真面目に掘れ。
B:おっ!次こそは。さっきよりでかいぞ。もしかして…
A:それイモじゃねーかよ。さっきよりでかめのイモじゃねーかよ。
B:おっ!3度目の正直だ。こ、これは、なぜか温かいぞ。もしかして…
A:それ焼きイモじゃねーかよ。すごいこんがり焼けてるイモじゃねーかよ。
B:おっ!こ、これはで、でかいぞ…
A:こ、これはすごい!すごい、ほ、細長いイモだ。
B:これただのイモ畑だろ!!しかもなぜか焼けてるイモでてきたし。どうなってるんだよこの畑。
A:バカ、これが伝説のイモ畑だ。
B:イモ畑って認めないでくださいよ。ホントにこんなに隠されてるのかよ。
A:でもさっきの細長いイモは珍しいな。…こ、これが伝説のイモか。これで魔王を倒せるぞ。
B:俺は、伝説の剣がほしいんです!伝説のイモにはまったく興味ないです。
A:もう、うるせぇな。じゃ俺が掘ってやるよ。
B:師匠、お願いします。
A:おっ!こ、これはすごい重いぞ。こ、これは、ま、まさか…
B:えっ…。
A:マ、マサル…。
B:…とりあえず埋めときましょう。見なかったことにします。
A:…もうキリがいいから、イモ掘りやめるぞ。
B:目的変わってるじゃないですか!!イモ掘りじゃなくて、武器と防具を探してるんでしょ。
A:もう武器と防具揃っただろ。
B:いやいや、まだイモしか手に入れてないでしょ。
A:伝説の剣の変わりに伝説のイモで戦えばいいじゃねーかよ。
B:勝てる気がしません!イモだよ、イモ。イモを武器に戦う勇者なんて聞いたことない。
A:もしかしたら、魔王の弱点はイモで頭を殴られるという可能性もある。
B:あるわけないでしょ!てか、このイモそんなにさっきから師匠が絶賛するほど長くないですよ。こんなイモじゃ戦えません。
A:そんな心配してるならイモを食えよ。イモを薬草代わりに食って体力回復だ。
B:俺は武器がほしんです!!なんで最終的にイモが薬草代わりになってるんですか。
A:お前な、食べれるイモなんて伝説のイモぐらいだぞ。
B:どのイモも食べれるよ!あっ、鎧はどうなるんですか?このままだと裸のままじゃないですか。
A:じゃイモの皮を全身にひっつればいいじゃん。
B:それだけは嫌だ!!てか結局裸じゃん。しかもより変態じゃん。
A:わがままだな。イモの皮だって立派な防具だぞ。
B:イモの皮なんて防御力ゼロのままですよ。
A:普通のイモならな。でも伝説の畑から出てくる伝説のイモの皮ならどうだろう?
B:どっちも一緒だよ!!伝説のイモの皮も普通のイモの皮も防御力はゼロですよ。
A:お前は何も分かってないな。
B:師匠が1番分かってないですよ。俺、魔王から笑い取りにいくわけじゃないですから。
A:あっ、靴下はいてけよ。靴下はいる。
B:嫌だよ!靴下はいたら余計変態じゃん。
A:俺、お前が魔王と戦いに行く時は、靴下をはかせると決めていたんだ。
B:それを決めた理由がわかりません。もうどうせ伝説の鎧を探す気ないなら全裸でいいや。全裸の方がマシだ。
A:ダメ、伝説のイモの皮だ。これは社長命令だ。
B:あんた師匠でしょ。自分の立場も忘れたんか。
A:よし!今から準備しろ。魔王を倒しに行くぞ。
B:ちょっと待って。魔王の居場所はどこなんですか。これすごく問題ですよ。
A:どういうことだ?
B:俺、裸の上にイモの皮を体中に引っ付けて、それで靴下をはいて、細長いイモを持って魔王のところに行くんですよ?
A:それがどうした?
B:魔王に会う前に絶対に警察に捕まるでしょ。
A:心配すんな。誰がどう見ても、ただのイモ好きの変態だ。
B:俺は変態じゃなくて勇者だ!!もう、俺を勇者とも見てくれないのかよ。
A:捕まる心配はないから安心しろ。
B:そうなんですか。じゃ魔王は一体どこにいるんですか?
A:たぶんね、伝説の畑を掘ればいつか魔王が掘れると思うよ。
B:もういいわ。

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☆5組目 毎回驚きのあるネタ展開、今期ランキング2位!

パピーゲバ

ファンタジー

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だから、ノーコメントですよ!!


何度言ったら分かるんですか!!

余計なことは語らず、寡黙に打ち込む姿がカッコイイんですよ!!


長々と、笑いはどうだこうだとか、カッコイイ男ってのは、こういうもんだとか、語るもんじゃないんですよ!!


……あっ!!



司会:漫才もコントも高得点連発! 激バト、MM−1、青バトを制したコンビは今回栄冠を勝ち取るか!? パピーゲバ!

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杉本:最近、ファンタジーが人気やんか。

島田:確かに、ハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングとか。

杉本:3大ファンタジーと言われている作品が立て続けに映画化されてますからね。

島田:さっき言ったロード・オブ・ザ・リングに加えて、
   ナルニア国物語とゲド戦記ですね。

杉本:んで、俺もファンタジーを書いてみようかと思ってね。

島田:無理やろ。難しいで。

杉本:簡単やって、余裕余裕。大体、ストーリーってワンパターンやん。

島田:おいおい。ファンタジー愛好家を敵に回すぞ。

杉本:で、実を言うと、既に書いてきたんや。
   ……聞きたい?聞きたいやろ?読むわ。

島田:俺の意見を挟む余地はなしか!まあ、いいよ。聞くよ。

杉本:「ゲバ戦記」

島田:待て!

杉本:ん?

島田:名前が、もう、パクリやん。

杉本:いや、大丈夫やって。
   俺は、自慢やないけど、「ゲド戦記」を読んだことがない。
   いや、むしろファンタジー小説を一冊も読んだことがない。

島田:それは、それで不安やわ!よく、それでファンタジーを書こうと思ったなあ。

杉本:大丈夫、ハラハラドキドキ、予想外の展開の連続やから。

島田:ホンマやな?

杉本:じゃあ、読むで。「パピーポッター」

島田:タイトルが変わってるやんけ!

杉本:本の名前が変わることも含めて、ファンタジーやん。そこからやっていこうや。

島田:うん、何を言うてるのかわからへんわ。……やっぱりタイトルもパクリやし。

杉本:「……目覚めなさい」主人公のフェルナンドは夢の中で不思議な声を聞く。

島田:お、出だしはなかなか本格的やんか。

杉本:「あなたの内に眠る、秘められた才能を、今、解放するときです」
   そういうと、声の主はフェルナンドの体を分厚い上腕二等筋で抱きしめた。

島田:なんや、そのボディビルダー的な抱きしめかたは!
   女神の優しい抱擁やないのか!?

杉本:こうして、フェルナンドはゲイに目覚めた。

島田:待て待て!!そこは、勇者として目覚めるんやないのか!?
   ボディビルダーに抱きしめられて、興奮してもうたんか!?

杉本:「夢……?でも、この鼻に残る、男の汗のニオイは……」

島田:気持ち悪い気持ち悪い!

杉本:ちなみに、ニオイのところは、
   「思い出」と書いて「ニオイ」と読ませてるから。

島田:そんな凝ったことせんでいい!!

杉本:3時間ほど思い出に浸った頃、フェルナンドの元へ、ある組織の使者が訪れた。

島田:いつまで思い出に浸ってとんねん!
   ……で、この組織の登場で話が急展開を迎えると。

杉本:「老人介護センターから派遣された、金子俊之です」

島田:待て待て!!どんな急展開の仕方や!!か、介護センター!? か、金子!?

杉本:フェルナンドがゲイに目覚めたとも知らず、
   金子さんは彼の部屋へと足を踏み入れる。

島田:や、やめろ!意味深な言い方をするな!

杉本:金子さんはフェルナンドのオムツを交換すると、
   手を貸して、お風呂に入れてあげるのであった。

島田:どんな主人公やねん!!

杉本:新しいやろ。
   普通、ファンタジーって冒険を通じて主人公が成長していく姿を描くやん。
   俺のは冒険を通じて、衰弱していく姿を描くっていう。

島田:やだ!!惨めすぎる!!

杉本:いつ、ポックリ逝くかわからへんから、
   もうストーリーは常にハラハラドキドキ。

島田:そんなハラハラドキドキは求めてないねん!!

杉本:……王様に城を出向くよう言われていたフェルナンドは、
   体力的な問題から日を改めて出向くことにした。

島田:体力無さすぎやねん!!冒険する以前の段階でつまづいとるやないか!!

杉本:翌日、城へ出向くよう言われていたことを、
   やっとのことで思い出したフェルナンドは、
   時間的な問題から日を改めて出向くことにした。

島田:早く行けや!!思い出すのに、日が暮れてもうてるやないか!!
   ボケとるなあ……。

杉本:翌日、金子さんの献身的な努力が実り、
   なんとか城へ出向くことができたフェルナンド。

島田:金子さん大変やなあ……。

杉本:ようやく城に辿り着いたフェルナンドは、
   1日かけて階段を登り、ようやく謁見の間の前まで辿りついた。

島田:時間かかりすぎやねん!!どんだけ話の進まへん物語やねん!!
   早く話を進めろ!!

杉本:筋肉痛が始まり、そのまま丸1日動けないフェルナンド。

島田:もーーーッ!!金子さんも、フェルナンドを背負うなりなんなりしろや!!

杉本:いや、自分の足で歩かせへんと、余計に体が弱るからね。

島田:イライラするわあ。

杉本:「おーうーさーまーくーーん!!」呼びかけるフェルナンド。
   しかし王様はいないようだ。

島田:なんで、そんな子供が友達を家に呼びに行くノリやねん!!

杉本:「いないのかなあ?よし、ここは一階の……大家さんに聞いてみよう!」

島田:待て待て!!何で城に大家がおるねん!!なんや賃貸の城か!?

杉本:丸一日かけて階段を下りると大家さんの元を訪れた。
   「王様ならご家族と一緒に、温泉旅行に行ってるはずだよ」
   ……なんたる運命の皮肉。

島田:お前らがモタモタしてるからや!!

杉本:「あ、そうそう。王様に用があるんだろ?
    だったら会ったときに言っておいてくれ。……家賃を払えって」

島田:王様、家賃を滞納してんのかい!!

杉本:そんなこんなで、王様に出会えたのは一週間後。

島田:ここまで話の進まない物語は珍しいな。

杉本:「よく来たなフェルナンドとその介護者よ、
    実はそなたに頼みたいことがあるのじゃ」

島田:こんな老人に何を頼むんだか……。

杉本:「実は一ヶ月ほど前から、
    わしのかわいい一人娘が病に侵されてしまったのじゃ。
    それ以来、わしは心が安らぐ暇もない。」

島田:お前、温泉旅行を楽しんどったやないかい!!

杉本:王様は悲痛な面持ちで奥の部屋へとフェルナンドを案内した。
   「これが、姫じゃ」「かゆ!足の裏、かゆ!」

島田:病って、ただの水虫やないか!!

杉本:こうして姫の水虫を治すため、フェルナンドは旅をすることになった。

島田:どんな目的やねん!!ファンタジーのカケラもないやないか!!

杉本:「姫の病の裏には、なにやら黒い影が潜んでいるとの噂もある」

島田:足を不潔にしてただけや!!

杉本:「危険な旅になるであろう。これを持っていきなさい」
   そういうと王様はフェルナンド達に……温泉饅頭を渡した。

島田:温泉旅行のお土産やないかい!!

杉本:薬局へ水虫の薬を買いに行くフェルナンド

島田:それで済む話やもん!!

杉本:薬局で、同じく水虫の薬を買いにきた魔王とはちあうフェルナンド達。

島田:どんな出会い方やねん!!

杉本:水虫の薬の在庫は残りひとつ……。
   こうして人類の足の裏を救う最後の戦いが始まるのである!!

島田:なんかショボいわ!!

杉本:「何故だ!!何故水虫の薬を買うんだ!!」
   「くくく。わかりきったこと!!
    我が足の裏の水虫を、根絶やしにするのさ!!」
   「許せない。まるでムシケラみたいに……」

島田:お前らも目的一緒やないか!!何が許せへんねん!!
   ……ムシケラっていうか、水虫菌やしやなあ……。

杉本:そんな魔王と金子さんのやり取りをよそに、町を徘徊しだすフェルナンド。

島田:お前、主人公やないのかい!!完全にボケ老人やないか!!

杉本:フェルナンドを連れ戻す金子さん。その間に水虫薬を購入する魔王。

島田:ほら、先越されたやないか!!ほんま何をやっとんねん!!

杉本:「し、しまった!くそう!力ずくでも奪ってみせる!」

島田:お前らの方がタチが悪いやないか!魔王、普通に購入しただけやんけ!

杉本:「やれるものならやってみな!!
    ここが貴様の死に場所になるのが関の山だがな!!」
   睨み合う両者、まさに一触即発。先に動いたのは、フェルナンド達。

島田:勝手にしてくれ……。

杉本:サッ!ズサッ!バシッ!金子さんがフェルナンドのオムツを交換する!!

島田:戦えや!!殺されるぞ!!

杉本:そのスキをついて、足の裏をいじりだす魔王!!

島田:水虫くらい我慢しろや!!お前らやる気ゼロか!?

杉本:魔王の口から炎が噴出す!!間一髪で交わす金子さん!!
   すかさず魔王の爪が襲いかかる!!それを、なんとか受け止める金子さん!!

島田:ほんと、フェルナンド存在感ねえな……。

杉本:ここまで働く必要があるのか、介護センターの労働規約を読み返す金子さん!!

島田:そら、思うわ!!ほぼ金子さんメインやん!!

杉本:そのとき!フェルナンドが立ち上がる!

島田:おお!やっとか!

杉本:グキッ!腰を痛めてうずくまる。

島田:もう、いいわフェルナンド!

杉本:そして、魔王の爪が金子さんに振り下ろされる!!

島田:やばいやないか!!

杉本:そのとき、魔王の顔面にあるものが飛び込んできた!!

島田:な、なんや!?

杉本:使用済み大人用紙オムツだった!!

島田:汚いわ!!

杉本:オムツを投げつけるフェルナンド!!ひるむ魔王!!

島田:……茶番やなあ……。

杉本:ちなみに、オムツは「思い出」と書いて「オムツ」と読ませてるから。

島田:どういうことやねん!!なんの思い出や!!いらんねん、そんなん!!

杉本:「思い出」を投げつけるフェルナンド!!
   「思い出」を投げつけるフェルナンド!!
   「思い出」を投げつけるフェルナンド!!

島田:どんだけオムツを持ってるねん!!で、「思い出」って言うのやめろ!!なんか嫌やわ!!

杉本:泣いて謝る魔王!!

島田:魔王、惨め過ぎるわ!!

杉本:……「思い出」を投げつけるフェルナンド!!

島田:許したれよ!!

杉本:全裸になって土下座する魔王!!

島田:そ、そこまでやるか!?

杉本:じゅるり。魔王の裸を見て、舌なめずりするフェルナンド。

島田:そうだ……。ゲイに目覚めてたんだった……。

杉本:その後、魔王に、人には言えないような精神的ダメージを与えて
   満足したフェルナンド一行は、

島田:な、何をした!?魔王に何をした!?

杉本:聞く?

島田:いや、聞きたくない!!

杉本:薬局の店主の怒りの視線を尻目に、水虫の薬を手に城へと戻った。

島田:薬局、なんていうか……店内中に「思い出がいっぱい」やもんなあ……。

杉本:王様に報告し水虫薬を渡したフェルナンドは王様からお褒めの言葉を預かった。
   「よくやったフェルナンドよ」「あひー!薬が沁みるー!」
   「そなたには褒美として」「うひー!!」

島田:姫様、うるさいねん!!ちょっと違うところで水虫の薬を塗れや!!

杉本:「褒美として、フェルナンドを姫の婿として迎え入れようではないか。」
   「うひひー!!……い?」

島田:もう、やだ、その姫様!!

杉本:「フェルナンド様……、私はあなたのものです」
   口付けを迫る姫。殴り倒すフェルナンド。

島田:殴るな!!お前がいくらゲイや言うても、やりようがあるやろ!!

杉本:「ところでフェルナンド。もうひとつそなたに頼みがあるのだが」

島田:待て、王様。自分の娘が殴り倒されてるのはスルーか!!

杉本:「また、新たに邪悪な影が王国を襲おうとしている。
    そいつを倒して欲しいのだ」

島田:なんで、このボケ老人にそういうことを頼もうと思うんや、この王様は。

杉本:そのとき、扉が激しくノックされた!!
   「王様さん!!今月分の家賃、回収しに来ました!!
    先月分と先々月分と合わせて払ってください!!」
   「フェルナンド!!アイツを倒せーー!!」

島田:どんだけ家賃払いたくないねん!!もういいわ!!

(終)

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いよいよ後半戦! 後半4組のネタへ!